ドクターヘリで患者のところに行けば、ひとりでなんとかしなければいけないし、道具はない、場所はせまい、薬はない、と、最悪の状態。でも、そんな場所でもきちんと対応できるようになるため、私が取材をしている日本医科大学千葉北総病院の救命救急センターでは、『リアル救急車』を導入しています。
画面に映っているのは心電図。ストレッチャーに寝かされているのは、患者役のお人形ですが、このお人形がすごいんです。なんとコンピュータで自由自在に体調が変化できるんですから。
フライトドクター候補生が、救急車内にはいってきて「大丈夫ですか?」と声をかけたとたん、心拍数が一気に低下したり、ゲロゲロゲロ……と、はく音がしたり(実際には、はきません!)。その操作は全部、こっそり隠れている先輩フライトドクターがやっているんですが、フライトドクター候補生がちゃんと治療をしないと、あっというまにお人形(患者)は、心臓が止まってしまうんです。
ですから、お人形相手とはいえ、真剣勝負そのもの!
だれもが最初からなんでも、できるんじゃなく、毎日こうした訓練をして、上達していくんですね。