骸骨ビルの庭(上・下)
宮本輝
現代人が失った純粋な生き方が、今、鮮やかに甦る。
すべての生きとし生けるものへ贈る、感動の長編小説。
住人を立ち退かせるため、八木沢省三郎は管理人として着任する。
このビルは、戦後復員した阿部徹正と茂木泰造が、戦争孤児たちを
育てた場所であった。
食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、
二人は人生を賭して子供たちと生きた。
成人してもなおビルに住み続ける、かつての孤児たちと老いた育ての親。
それぞれの人生の軌跡と断ち切れぬ絆が、八木沢の心を動かす。
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒業。
1977年『泥の河』で太宰治賞、1978年『螢川』で芥川賞、
1987年『優駿』で吉川英治文学賞を受賞。
2004年には『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
著書に『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『避暑地の猫』『ドナウの旅人』
『ひとたびはポプラに臥す』『月光の東』『草原の椅子』
『睡蓮の長いまどろみ』『森のなかの海』『星宿海への道』
『にぎやかな天地』『宮本輝全短編』(全2巻)など。
ライフワークとして「流転の海」シリーズがある。