
骨、家へかえる
著者:三角みづ紀 / イラスト:虎硬
定価(税込):1,050円
帰る家を探す智子、駆け抜ける俊敏な馬を見落とす陽平、午後四時の只中に立ち尽くす詩子、電気椅子で死刑執行を待つ滝也。交錯する四人を描く美しき文体の表題作。他に、敬愛する作家へのオマージュとも言える「美代子の満開の下」収録。今、もっとも注目される気鋭詩人の初小説、純文学に期待の大型新人登場。
著者・三角みづ紀(みすみ みづき)
プロフィール ■ 1981年、鹿児島県生まれ。東京造形大学卒。在学中に現代詩手帖賞受賞。その後、2003年処女詩集『オウバアキル』で中原中也賞、2006年『カナシヤル』で歴程新鋭賞、南日本文学賞も受賞。 http://misumimizuki.com/
コメント ■ 帰る場所についてかんがえてみる。ひとりで暮らすこの部屋から帰る場所についてかんがえてみる。思いあたる場所がいくつか点滅したとて、その点滅が終わりの合図に見え、そうしたらわたしはこの部屋をでていかなければならず、靴の踵の減りや天候やかわかないせんたくものなんて言い訳にすぎないのかもしれない。 つたえたいことつたえきれないこと、つたえられなかったこと、とりもどす声や日常、あらゆるものはいつかかえります。
イラスト・虎硬(とらこ)
プロフィール ■ 1986年、埼玉県生まれ。東京工芸大学卒。現在はインターネットを中心にイラストレーターとして活躍。デザインフェスタをはじめ、さまざまなメディアで積極的に活動を 行っており、絶大な人気を集めている。 http://anofelus.com/
コメント ■ 現代的な作品だと思います。「現代的」はよく使われる言葉ですが、つまり同時代に生きている自分としては非常に多くの共感が持てるという意味で。イラストは本文の書き方を真似した(解釈した)タッチで描きました。文体があまりにもきれいだったからです。
担当者コメント
普段使い慣れている文字なのですが、この作品の中ではその文字のひとつひとつに不思議な力が感じられます。また、その文字の力をより強く引き出すイラストがうまく絡み合い、あっという間に独特の世界に引き込んでいきます。今までにない新しいスタイルの小説でさらに小説の面白さを感じてほしいです。


